先日、オーストラリア西部のマーガレットリバーで開催されていた
CT第3戦のマーガレットリバープロが異例のキャンセルになりました。
その理由はなんと「サメ」。
まずイベント開催前日、ウォームアップ中の選手の近くまで大きなサメが近づいていたそう。
急いで選手達は海から上がったので事故になる事はありませんでしたが
数日後イベント会場から6キロ離れた場所で2人のサーファーが同じ日にシャークアタックに合い
発生現場の近くにはクジラの死骸が打ち上げられていたので多くの鮫を誘き寄せてしまうと懸念され
賛否両論がある中で選手達の安全を優先してキャンセルに至りました。
サメによって死亡者が出る事はレアなケースではありますが年々増えています。
オーストラリアやフロリダ、バリなど海外での事例が圧倒的に多いですが、
去年日本でもサメがすぐ近くまで来て数時間ビーチがクローズしたという事を何度か耳にしました。
本記事ではサメの種類やシャークアタックの原因などご紹介したいと思います。
シャークアタックをしやすい要注意なサメの種類
500種類ほど存在するサメの中で肉食とされているサメは10種類。
その中でも特に要注意なのが下記の5種類。
ホホジロサメ
ジョーズのモデルとなった大きなサメ。どうやら初めから人間を餌としてターゲットにするというのでは無くアザラシや海ガメと間違えて人間に噛み付いてしまうそう。しかしそして一度味をしめるとその場所を餌を調達できるテリトリーとして留まるので二次災害が起こりやすいです。
イタチザメ
日本でも駆除の対象となっているほど獰猛。海のゴミにまで襲いかかる見境のなさを持っています。
アオザメ
沖合に生息しているので人と接触する事が少ないのですが、こちらもかなり獰猛です。
オオメジロザメ
浅瀬にも侵入可能で気性も荒いことから非常に危険とされています。
淡水でも行動可能でミシシッピ川やアマゾン川の河口から3500km以上も上流で発見された記録も。
ヨゴレ
日本周辺にも多く生息している獰猛なサメ。普段はゆっくりと海遊していますが獲物を見つけると一気に襲い掛かります。アオザメと一緒で外洋性なので遭遇率は低め。
あらゆるサメの中で最も危険と言われています。
(ブレイク・ライブリーがシャークアタックに合うサーファーを演じる大げさなくらい怖い映画)
シャークアタックの原因
サメは海の生き物なのでいるのは当然なのですが人間へのシャークアタックが増えているのは事実。
しかしこの原因も元はというと
人間による環境破壊によって起きているのではないかという声も多く上がっております。
環境破壊によって起きた温暖化の影響で
海水温が上がり暖流も強くなるのでサメの餌となる魚達の活動区域が広がって
普段は沖合に生息しているサメがその魚達を追いかける事で陸地に近くなったり、
人間による魚の乱獲によって食物連鎖が乱れサメの餌が少なくなった事で
普段は大人しいサメも殺気立ってしまったり・・・・
そんな状況がある中で海水浴をする人も年々増えているので
今後はもっと事故が増えるのでは無いかと懸念されています。
地球環境が変われば天候や自然界にいる生き物の性質が変わってしまうのは
悲しいですが当たり前の事かもしれません。
映画ジョーズの原作者ピーター・ベンチュリーはこのような言葉を残しています。
「誰もビキニを着て、日焼け止めを塗った状態で、ジャングルのなかに入っていったりはしません。しかし海には、私たちは水着を着て、本をもって出かけます。私たちは海のことを、まったくちがう世界だとは考えずに、個人のスイミングプールかなにかと、勘違いしています。しかし、海はまったく異なった環境システムをもちます。それはひとつの世界です。私たちは、そうしたものを尊敬しなければならない。海は生き物に満ちていて、食うことによってのみ、生き延びることができる世界なのです。」
そう。サメを含め多くの生き物達が変わりゆく環境の中でただ生きる為に必死なだけなのです。
シャークアタックを避ける為にできる事。
レアなケースとはいえシャークアタックはいつどこで起きるか予測ができません。
自身でできる最低限の事はこちら。
・嗅覚に優れているサメは僅かな血の匂いにも反応し近づいてきます。生理中はできる限り海に入るのを避け、万が一血の出る怪我をした場合は一度海から上がりましょう。
・排泄物の匂いにも反応するので海の中では排泄を避けましょう。
・サメがお腹をすかせている早朝や夕方に1人でサーフィンは避けましょう。
・サメの目撃情報が入った場合はすぐに海から上がり入らないようにしましょう。
・大雨の後に増水した川から流れてくる動物の死骸や魚を食べにサメが河口に集まることが多いので濁った状態での河口は近寄らないようにしましょう。
最近ではシャークアタックを避ける為のアイテムもいくつか発売されています。
シャークバンズを開発して話題となった会社が新たに発表したサメ避け効果のあるリーシュ。
バンドはなんとなく微妙かもと思っていましたがリーシュならつけやすいですね。
リーシュにしてはお値段が張りますがサメが多そうな所にトリップに行く時にはいいかもしれません。
万が一海の中でサメに遭遇したら
万が一すぐ近くにサメがいたら・・・
ゆっくりと動きましょう。
バタバタと動くとサメは獲物が弱っているか溺れているか、はたまた自分に襲いにかかってくると思いこみ刺激してしまうそう。
そしてサメがいる事実を必ず大きな声で周りに伝えましょう。
最悪な事態を免れなかった場合はリーシュなどのアイテムを使い止血する事が非常に大事な事となります。
怪我をしてしまった人がいたらとにかく誰のものでもいいので止血してあげましょう。
シャークアタックにあって片腕を無くしてしまった
映画「ソウルサーファー」のモデルとなったプロサーファーのべサニー・ハミルトンも止血をしてもらったおかげで助かったといわれています。
でも本当は
海での食物連鎖のトップに君臨し、無敵のイメージがあるサメ。
実はそんなサメの唯一の天敵は人間だったりします。
フカヒレの為に多くのサメが殺されたり
人間が仕掛けた罠によって動けなって死んだサメも多く
それだけで海の食物連鎖が乱れ悲しい悪循環を産みます。
基本的にはサメは人間を襲いません。
実は臆病なサメも多いのでこちらから脅かすような事をしない限り襲いかかって来ないはず。
サメに襲われる確率よりも交通事故に合う方が数十倍も高いと言われています。
悪いイメージばかりを持つのではなくまずは海の状況や海の生物達を理解したうえで
海に入るとよりいいかもしれません。